〇不眠症・睡眠障害
原因
高齢者、うつ病を含む精神疾患病歴や感情的なストレス、昼夜逆転の生活のサイクルなどが原因で不眠症になってしまうことがあります。
治療
症状や原因によってその治療は様々です。まずは生活指導を行います。これにより改善する人もいます。うつ病や痛みによっても眠れなくなることがあります。抗うつ薬、鎮痛薬、睡眠薬による薬物療法や薬物に頼らない治療方法など患者さまに合った治療を行います。
〇頭痛・片頭痛
日本人の3~4人に1人が頭痛持ちと言われています。頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などの頭痛があり、それぞれ症状が異なります。
緊張型頭痛
頭痛の症状を訴える方の多くが緊張性頭痛です。女性の方が男性よりやや多いです。精神的・身体的ストレスや筋肉の緊張などが複雑に絡み合っておこる頭痛と考えられています。後頸部からはじめる鈍痛で、肩こりを伴うことが多いのが特徴です。イブプロフェンなどの NSAIDs、解熱鎮痛薬、抗炎症薬、筋弛緩薬(きんしかんやく)、抗不安薬、抗うつ薬、漢方薬の服用による治療や、ストレッチなどの運動による治療等があります。
片頭痛
男性よりも女性のほうが圧倒的に多い頭痛です。日常生活に影響があり、動くとがんがん響いてつらく寝込んでしまうこともあります。吐き気がして実際吐いてしまうこともあります。また光、音、においに過敏になることもしられています。予防薬、鎮痛薬を組み合わせて対処していきます。
〇うつ病
うつ病は、慢性的に気分が憂鬱になったり、何事に対してもやる気が出ない状態が長期間続く病気です。
精神症状・身体症状
ぼーっとすることが多くなり、口数が少なくなります。 学校や会社を休みがちになります。その他、集中力、運動神経、記憶力、自尊心の低下などがみられることがあります。 口渇、頭痛、手足の震え、動悸、息切れ、生理不順などがあります。うつ病のタイプには、内因性うつ病、心因性うつ病、身体因性うつ病、一回性うつ病、周期性(反復性)うつ病、慢性うつ病などがあります。
治療
当院では、内服薬、漢方薬、カウンセリングによる治療を行っています。患者様の希望をよく聞き、それぞれの方にあった治療を最優先いたします。
〇てんかん
てんかんは脳の病気で、大脳の神経細胞が過剰に興奮して、脳の発作が繰り返し起こる病気です。年齢を問わず起こります。発作は突然おこり、けいれん等の症状として現れます。発作は一瞬で収まるものから、中には数十分ほど続く場合があります。発作中は、記憶がありません。原因不明のものが多いですが、頭部外傷、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍といった脳の構造的な異常や感染や免疫の異常、または代謝の異常が原因であると考えられています。発作を予防することにより社会生活を送っていきます。
治療
基本的には投薬によって、発作を抑える治療をします。また、難治性のてんかんについては、外科的な手術をする場合もあります。当院では、外科的治療はできないため、紹介させていただきます。
〇ものわすれ
物忘れは、年をとることで、誰にでもおこるものです。しかし、単なるもの忘れでも、認知症のひとつの症状としてあらわれるものもあります。
認知症は、進行する病気ですので、早めに対策をすることが有効です。また、うつ病でも同じような症状がでます。もの忘れで気になることがございましたら、是非当院にご相談ください。
認知症の可能性があるもの忘れ
経験の一部ではなく、経験したもの全体を忘れてしまう。
物事の段取りが分からなくなる。
そもそも、もの忘れかどうかも分からない。
場所や時間等が分からなくなる。
認知症にも様々なものがあります
アルツハイマー病
脳血管性認知症
レビー小体型認知症
ピック病など前頭側頭型認知症
うつ病の仮性認知症
薬物惹起性の認知症
スピロヘータ、HIVウイルス、プリオンなどによる感染症による認知症
〇強迫性障害
強迫性障害は、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまう性質の病気です。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。
主な強迫観念と強迫行為
意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。
不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯をくりかえすドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れて、さわれない。
加害恐怖
誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認する。
確認行為
戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手でさわって確認するなど)。
儀式行為
自分の決めた手順でものごとを行なわないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない。
数字へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。
物の配置、対称性などへのこだわり
物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる。
治療
当院では、抗うつ薬による薬物療法を中心に治療をおこないます。個別の事情によって治療方法は異なりますので、上記のような症状がありましたら、当院へご相談ください。
〇社交不安障害
社交不安障害とは、対人場面での不安から、異常な動悸・震え・吐き気・赤面・発汗などの身体症状が出現し、対人を避け、日常生活に多大な支障をきたす病気です。「社会不安障害」と呼ばれることもあります。
診断
簡易構造化面接法(M.I.N.I.)によると、以下の全ての項目に当てはまる場合は、社交不安障害の可能性があるとされます。
人前で話をしたり食事をしたり文字を書いたりする時に、他人から注目されていると思うと、怖くなったり戸惑ったりする。
それは、自分でも怖がりすぎていると思う。
それは、わざわざ避けたり、じっと我慢したりしなければならないほどである
それによって職業・社会生活が妨げられているか、または著しい苦痛を感じている。
治療
薬物によって心の状態を安定させる治療と、認知行動療法などによる精神療法があります。当院では薬物療法を第一選択にしています。
〇パニック障害
パニック障害とは、突然、激しい動悸、脈拍が以上に多くなる、震えがくる、息苦しくなる、胸が苦しくなるなどの発作がおこり、強い不安感にさいなまれる病気です。発作は10分~30分程度で収まることがほとんどですが、この発作を繰り返すうちに、続けてその発作が再発するのではないか、と恐れる「予期不安」がおこり、発作に対応できない場所に行きづらくなる「広場恐怖(外出恐怖)」がおこります。
治療
ノルアドレナリンとセロトニンのバランスを改善するための薬物治療が一般的です。また、認知行動療法や自律訓練法による心理療法もあります。当院では、個々の症状に合わせて、適切な治療を選択いたします。